業界トピックス
更新:2017/2/16
省エネ対策、「原単位削減」強化
自発的な取り組みと投資を支援
高効率設備導入に追い風
経済産業省は、2017年度予算(案)として、省エネ投資促進向けの補助金672.6億円を計上しました。ここには、▽ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の導入▽ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実証▽住宅の断熱改修による省エネ化―支援が含まれています。
工場・事業所向けの支援メニュー(エネルギー使用合理化等事業者支援事業/予算額510.7億円)は、省エネ効果の高い設備の入れ替えが目的です。
対象設備は、照明、空調などで、補助率は1/3以内に設定。見える化も含めたエネルギー管理支援サービスを展開する「エネマネ事業者」を活用した場合、1/2以内に引き上げる仕組みとしました。
現在、申請窓口となる執行団体を募集しており、予算成立後「すみやかに事業を開始する」(資源エネルギー庁)そうです。
このメニューでは、今回、省エネ効果の高い設備単体の更新や、複数事業者間でのエネルギー使用量削減の取り組みを重点的に支援する考えを示しています。もう一つ注目すべきは、「エネルギー消費原単位」の改善を重視している点です。
生産品1つあたりにかかっていたエネルギーを、高効率設備の導入で抑えることで、収益拡大も含めた持続的な省エネに結びつける狙いがあります。
同庁の資料(=グラフ)によると、2010年度から2014年度にかけて、省エネ法で定めた特定事業者(産業・業務部門)のエネルギー消費量が減少する一方、原単位の改善は停滞しています。
海外に拠点を移管したり、国内工場の稼働率が落ちたりと、生産減少で単純にエネルギー消費量が下がったことも要因にあるよう。景気が回復すれば消費量も増加するため、現状のままでは「さらなる省エネは見込めない」(資源エネルギー庁)とのこと。
GDPベースで年平均1.67%の原単位改善が求められている日本にとって、経済成長と省エネの両立は喫緊の課題。今後も、企業の自発的な取り組みと投資を引き出す政策への関心は高まるばかりです。