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業界トピックス

更新:2016/6/15

いたるところに腰痛の影
―厚生省 補助機器の省力化推奨

重い、いきなり、狭いが危ない

 2013年6月、19年ぶりに厚生労働省の「腰痛予防対策指針」が改訂されました。


 指針で腰痛になりやすい作業として挙がったのは、▽重量物取扱い▽立ち▽座り▽福祉・医療分野などにおける介護看護▽車両運転—など。 やはり腰痛になる可能性が最も高いのは、製造業や建設業の現場から切っても切り離せない重量物の取扱い(同省が指す「重量物」とは製品・材料・荷物のこと)。指針では、倉庫の荷役作業でリフターなどの昇降装置や自動搬送機付きの貨物自動車を活用したり、ローラーコンベヤーや台車などの補助機器による省力化を推奨しています。


 重量物を取り扱うときのポイントは、急激な身体の移動をなくすこと。前屈やひねりなどの不自然な姿勢をとらず、身体の重心の移動を少なくして腰に負担をかけないようにします。重量、取り扱う頻度、運搬距離・速度など、気にすべき点はたくさんありますが、同省労働衛生課の担当者は作業範囲の確保にも配慮すべきとしてこのように話していました。


 「狭くて正しい作業姿勢が取れなかったり、無理に踏ん張ったりするのは、腰に余計な負担がかかります。暗い場所や地面が濡れている場所での転倒にも注意を呼びかけているところ。荷に関わる作業は自動化や省力化を導入することで、負担も大幅に減るはずです」


 指針改訂の検討にあたって、同省が2004年のデータを基に職場で多い動きを分析したところ、荷を下から上に移動させる動作が約4割。次に多かったのは、運搬・移動・押し引きといった前後左右に動かす動作が1割強だったそう。職場における腰痛は、「全国の業務上疾病の約55%を占めている」(東京産業保険総合支援センター発行『労働衛生のハンドブック』)と言われるほど。症状が常態化する前に、身体的負担を軽くする試みがソフト・ハード両面で求められています。


【写真=日常の動作を邪魔せず深く前屈した時だけ作用するモリタ宮田工業の「ラクニエ」】
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